幻影 ー そごう柏再利用計画 ー
作者の地元、柏駅前のランドマーク「柏そごう」は閉店し、暫し放置されていたが、現在再開発のため解体の動きがある。反対意見も上がる中、作者はこの建物の特徴的な外観の記憶を残しつつ、駅前に立体公園のような公共の場とする提案を行なっている。行動観察調査や住民にリサーチも行い、皆が駅前に欲しい空間を分析し、設計した。特筆すべきデザインは、塞がれ窓として機能していなかった、いわばフェイクの連続アーチのファサードをリアルにアーチ窓として穴を開け、内外を繋いだ点である。デパートとして完全にパッケージされていたインテリア空間を引き算のデザインにより、公園のような空間として半ば外部化し、内部と外部が反転したような公共の場を提供できている。
担当教員:昭和女子大学 杉浦 久子 先生