綴 峡
本作品は、渓谷の自然環境を保持し従来の利用を可能にしつつも、建築によって特定の目的を備える区域に変える試みである。地域の環境保全のための整備、景観を壊さない外観の建築、外部と繋がりつつも違った機能や意味を持つインテリア、の3つの共存を追求した。豊かな自然空間と静謐な人工空間を、渓谷を歩みつつ何度も交互に経験することで、日常から徐々に遠くなっていくとともに、歩き、見て、聴き、嗅ぐことを通して、自分の体の感覚を取り戻していく。自然とは違った崇高さや純粋さなどの非日常性を感じさせるインテリアの提案が、自然と対比されることで際立っている。
担当教員:武庫川女子大学 井上雅人 先生