都市牛舎
多様化、複雑化する社会課題を前に、中西君は自ら都市や農村を駆け渡り、地方の農業生産者と都市部の消費者(都市生活者)の心理的なつながりが希薄であることを知る。本計画は、都内では希少な牧場を対象に取材を重ね、存亡の危機にあることを具に取材し、社会学的な見地から建築を創造することで事業の再生と持続性を創出しようとするものである。都市部の地域において、命を育む第一産業の価値を肌で感じることのできる場を創生し、地域資源の多面的な活用と連動化(6次産業化)を通して新たな価値を創出するプログラムが示された。建築を社会ネットワークのノードと捉え、地域社会の活動拠点として位置付けようとする意欲的な提案である。
担当教員:芝浦工業大学 澤田 英行 先生