重度障碍児の旅
清澄庭園の回遊性を読み解きながら、主に重度障碍者の短期滞在施設を設計し、健常者と重度障碍者の関係や社会問題に対して真摯に直面し深慮した作品である。この設計で最も特徴的な多面による壁のような形態は、エクステリアとインテリアをシームレスに繋ぐと同時に、庭園、健常者、障碍者が交差と共有を行う境界でもある。その壁的形態にはコントラストの強い二つの異なる素材が使われ、健常者と障碍者のそれぞれの身体性の領域をつくられている。また連続性と表裏性を持つ内部空間が次々に展開されており、健常者と障碍者の関係性そのものを表現していると言える。
担当教員:芝浦工業大学 小塙 芳秀 先生